今年4月にNDC経由の接続を大きく優遇する措置を強行して米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)が米司法省に提訴する事態にまでなっているアメリカン航空(AA)だが、4月から6月までの第2四半期決算ではCCOが手応えを強調している様子。

米Travel Weeklyによると、収益の70%から75%が直接接続の販売チャネルになっており、さらに今後も増加する見通し。年末には販売する商材のすべてがアプリや公式サイトで販売可能になり、それらをNDCにも展開していく一方、顧客が求めるサービス品質を提供できない伝統的テクノロジーはますます運賃情報を縮小していくとしている。

一方、PhocusWireはBTNがシンガポールで初開催した「Business Travel Trends and Forecasts Asia Pacific」のパネルディスカッションについて記事を公開。ここではAAの法人営業グローバルヘッドが登壇して現在の立ち位置について、「強硬姿勢と表現されるのは残念」「2010年からNDC対応について協力を模索し可能性を説明してきた」「できることなら協調して取り組みたかった」などと説明。

また、AmazonやNetflix、Grabなど今のインターネットの世界ではほとんどがアカウント開設をサービス利用の条件としているのに対して、EDIFACTを基盤としたGDSの流通では最重要顧客について我々は何も知り得る手段がなかった。NDCはそれを可能にするものだとも語ったという。

そして旅行会社との関係について、「NDCに関心はあってもGDSで利用できない限りは対応できないと言うから3大GDSで接続可能としたのに業界はそれでも不満だと言う。そのタイミングで我々は一線を画することを決めた」とのコメントも紹介されている。

これに対してTMC側の別の登壇者からは、NDC対応の必要性は認めつつもNDCの不備を指摘。顧客の求めるサービスを提供する能力が備わっていないことや、チャネルによって同じ便でも運賃が変わることについて不満を述べている。また、アマデウスの幹部も自動車産業が石油から電気へと切り替わるようなものと例えて協調の必要性を訴えたという。